KSKS
CIL豊中新聞Vol.62 2024年3月号

編集人 NPO法人CIL豊中 
豊中市蛍池中町2の3の1の203
H P: http://www.ciltoyonaka.com/
Twitter: @ciltoyonaka 
Email: ziritsu@ciltoyonaka.com
TEL 06(6857)3601  
FAX 06(6857)3602
発行人 関西障害者定期刊行物協会
大阪市天王寺区真田山町2の2 
 東興ビル4階  定価100円


特集:いらっしゃいませ お好きな車いすにお乗り下さい
CIL豊中などの障害者団体は、常に「マイノリティー」が身近な存在となります。それ故、「マイノリティーのほうが普通」という感覚にもしばしばなりますが、一歩外に出れば、例えば車いすの人に接したことが無いとか、車いすの扱い方を知らないといった場面に遭遇します。京都に1つ、面白いお店があるのを見付けました。客席が車いすで、お客さんは店に入ると車いすに案内されます。そしてどれか好きな車いすに乗って飲食し、トイレも勿論車いす対応なので、基本的には車いすに乗ったまま行くのです。そんな、ちょっとユニークなお店を取材しましたので、今回の号の特集として紹介致します。

Wheelchaircafe SPRING
 京都市東山区本町、京阪電車伏見稲荷駅とJR奈良線稲荷駅から、それぞれ徒歩5分ぐらいのところに、そのお店は在ります。名前は【Wheel chair cafe SPRING(ウィルチェアカフェ スプリング)】。Wheel chairとは英語で車いすのことです。
 カフェですがランチのセットもあり、今回はランチを頂きながらの取材となりました。応じて下さったのは、代表の中村敦美さんです。
 
切っ掛けは「バリアフリーツーリズム」
 中村さんは、元々は京都市内で、「バリアフリーツーリズム京都」という、障害者と高齢者の専門の旅行会社をやっていました。そのときに「車いすで入れる飲食店はないのか?」、「嚥下障害があるので、ミキサー食などの対応をしてくれる店はないのか?」という問い合わせが多数あったのです。
 京都の街は飲食店が本当に多いのですが、問い合わせにあったような店は、全然ありませんでした。この背景には、京都が非常に歴史の古い街だけに、江戸時代以前に建てられた町屋などの建物を、そのまま使用している店が多いということもあります。「ならば自分たちで新たに造ろう」と思い、一念発起して車いすカフェを始めました。

車いす体験のススメ
 普段車いすに乗っていない人は、例えば病院に行って車いすが置いてあったとしても、それに乗って操作してみたりすることは、ありません。勝手に病院の備品で遊んでいると思われて、スタッフから注意されるかも知れないし、もし興味があったとしても触れないのが普通です。一方で、街で急に車いすの人が困っている場面に遭遇しても、扱い方を知らないので不安が先にきて、手伝うのを躊躇する人もいます。ならばこのお店の中では、自由に車いす体験をすることが出来るし、色んなタイプの車いすが揃っているので比べてみることも出来ます。
 「あ!車いすって、ここにブレーキが付いてたんだ!」、「こうやったら自分で動かせるんだな!」と、お店で過ごす中で発見した人は実際にいます。店内で段差の体験をしてもらい、「こんな少しのの段差でも上れないんや!」と驚いていた人もいました。
 中村さんは、「こうやって発見してくれることによって、今後、街で車いすの人が困っていても、声を掛けやすくなると思う。少しでも手助けするときのハードルを下げたい」と語っていました。
 一つ、面白い(というより驚いた)エピソードがあります。京都市内の、とある踏切内で、車いすに乗ったお婆さんが立ち往生しました。そのとき、サッと駆け寄って助けた人たちは、全員外国人だったそうです。日本人も傍に沢山いたのですが、「こういう状況に慣れていなかったのかも知れない」と、中村さんは推測していました。

コンセプトは「マイノリティーの人への、えこ贔屓
 Wheelchair cafe SPRINGは、2023年12月6日が開店日で、まだまだ新しいお店です。だから、これからどんどん特色を付けていきたいと思っていますが、車いすの人=身体障害に限らず、知的、発達、重複など、どんな障害の人も利用しやすいお店にしたいと考えています。例えば多動の人など、急に大きな声を出したり走り回ったりする人がいますが、そういう人も入店拒否は絶対にせず、多少何かあってもOKというのが、お店の方針です。
 もう一つ、このお店はギャラリーも兼ねていて、店内の何箇所かに、或るダウン症の人が描いた絵を展示しています。希望者には販売もするそうですが、なかなか絵の展示を承諾するお店は無いようです。だから少しの手数料だけをもらって、後は色んな作品を常設展示してもいいということでした。
 中村さんは、「当店のコンセプトはズバリ、【マイノリティーの人へのえこ贔屓】です。それを寧ろPRにしたい」と意気込んでいました。

「客席」の車いすはクラウドファンディングにて購入
 車いすカフェだから当然ながら、店内には数多くの車いすが置かれています。実はこれらは、クラウドファンディングで寄付を募り、100万円を集めて購入したのです。内1台の車いすは、長野県在住の人が、日帰りで車で店までやってきて、直接手渡してくれたそうです。一度、中村さんがラジオに出演して店の紹介をしたときは、リスナーの一人が来店して、帰りに封筒に入れた寄付金を渡してきました。
 「お店をやったことで、人の善意に触れる機会がすごく出てきた。本当に良かった」。中村さんも感無量の様子でした。

ここでお薦めメニューの紹介
 取材当日、私が注文したのは、「みそぽんONIGIRIランチ」です。2つの大きなおにぎりが特色で、昆布や菜っ葉など具沢山でした。米をおにぎりに適したブレンドにして、色々試しているそうです。味噌には特にこだわっているようで、樽で作っている上質の味噌を使っています。味噌は樽で作ったほうが美味しいそうですが、そうした工法は、今では殆ど見られなくなっています。
 米も味噌も、味はまろやかで美味しかったので、またプライベートで食べに行ければと思っています。

車いすのお客の感想は?
 取材時点でオープンからまだ1ヶ月余りでしたが、その間にも何人かの車いすのお客が来ました。予約は不要ですが、車いすの人は、予約してから来る人が圧倒的に多いです。何度かメディアでも紹介されており、それを見て訪ねてきたとのことですが、健常者の人が通りすがりでフラーッと立ち寄ってくるのとは、対照的です。
 一人だけ、車いすのバックパーカーのような人が来たそうで、重度の脳性麻痺の人でしたが、「たまたま見かけたから寄った」という観光客でした。
 障害者のお客からは、やはり凄く喜ばれています。「こんな店、なかなか無いよねえ」と言って、普通に入れたことをとても喜んでいました。どんなタイプの車いすでも対応するので、例えばストレッチャー式でもOKです。

リアクションこぼれ話
 コロナ禍の後、インバウンドが復活してきたこともあり、京都という場所柄、外国人のお客もやってきます。ただ、テーブルと車いすの店内を見ると、「間違えました。すみません」とばかりに出て行った外国人客がいたそうです。どうやら車いすが客席ではなく店の備品で、なおかつこの場所も飲食店ではない(特定の福祉施設か何か)と思ったようでした。すぐに店員が追い掛けて説明しようとするも、間に合わなかったとか。「英語での案内が全く無かったことが失敗でしたね」と、中村さんは反省の弁。
 何も知らずにたまたま入ってきた健常者のお客は、最初は大抵驚きます。車いすを客席と認識出来ず、「どこに座ったらええんや?」と訊いてきた人もいました。しかしいざ車いすに乗ると、思いの外乗り心地が好く、このまま乗りっぱなしで過ごしたいと言う人もいるそうです。クッション付きの車いすが特
に快適なようですね。
 稀に車いすに乗るのを嫌がる人もいる(因みに日本人の高齢者)らしいのですが、その理由が「年寄り扱いされたくないから」。車いすに乗ったら何故年寄り扱いになるのか、取材者は解りませんでしたが、中村さんは、「ここは障害者をえこ贔屓するお店なので、ほかのお店に行ける人は、行って下さってもいいのかな?」と一言。因みに店内には、固定イスの客席も一部存在しています。

実は就労継続B型です
 車いすカフェという特徴以外は、普通の喫茶店だと思っていましたが、実は就労継続B型の事業所で、中村さん自身も、ダウン症の知的障害者の子どもを持つ親だということです。介護福祉士も取得しているとのことですが、現状、障害当事者の店員はまだ一人もいません。だから、一人でも来ることが大きな目標の一つとなっています。
 中村さんはヘルパー歴も長いので、介助が必要なお客が来たら対応出来ます。
 因みに今、店員は全部で5名ということで、中村さん以外にも一人、嚥下障害が重い重度心身障害者の親という店員がいます。その店員は家で毎日ミキサー食を作っているので、お店でもそういう対応には慣れています。

お客に期待する事はある?
 普段来るお客は、車いすカフェという新しい発想に対してウェルカムな人が多いので、嬉しい気持ちで一杯です。これからも、障害者を「隔離」とか「分ける」という考え方ではなくて、皆さんここにいるのが当たり前、どんな人でもいるのが当たり前、という感覚になってもらいたいと思っています。
 日本の街は、ハード面ではバリアフリー化が進められてはいますが、造る人のソフト面が伴っていないように感じます。トイレなどでも、「ここに手すりがあったら、多くの人はかえって使いにくい」という現場が数多くあり、使う側のことをもっと考えて欲しいと思っていますが、それでも、造ってくれること自体は有難いという気持ちもあります。「いかに当事者目線で考えるかがポイント。例えば車いすの人の動線であるとか」。それを実践する上で、このお店が少しでもヒントを与える存在になれたなら、望外の喜びです。

将来の夢は「シェアハウス」
 オープンしてからまだ新しいお店だけに、先ずは当面の経営を軌道に乗せることが夢(というより現実的な目標)です。その上で中村さん曰く、「将来はシェアハウスを創りたいという夢がある」。
 介護士としても長年働いてきた中村さんの体験上、一人で何人もの利用者を見ないといけないというのは、「到底有り得ない」レベルの過酷さです。しかし「仕事」として介護を行うとなると、どうしても人手不足という現実に直面する故、複数の利用者に対して一人が責任、という構図になってしまうのでしょう。ならばシェアハウスを創って、そこにはお年寄りも障害者も、シングルマザーも健常者もいて、その中の、誰か出来る人が出来ない人の面倒を見るようにすれば良いのでは?と考えたのです。
 人それぞれ出来ることも出来ないことも、得手不得手もあるから、同じ人が面倒を見る側にもなるし、見てもらう側にもなります。双方向の支え合いが成立することで、一人に負担が集中してしまう構図が無くなり、一人一人が「何か出来ることもある」ということは、自尊心が保たれることにも繋がります。
 中村さん自身が重度障害当事者の子どもを持つ親として、親亡き後のことや、昨今、入所施設で起こっている様々な出来事に、思いを馳せているようです。

★★★★★★★

 「視点変われば景色も変わる。その景色こそが気付きである」。今回の取材を通じて感じたことです。マイノリティーやバリアフリーが特別だと映らない社会が、本当のバリアフリー社会ですね。
 今回は有難うございました。 

Wheelchair cafe SPRING
所在地:京都市東山区本町22丁目516
電話:080-4809-5446
営業時間:11時~16時30分
定休日:日曜日・火曜日

・車いすがたくさんある店内の写真3点
・ギャラリーの絵の写真
・みそぽんONIGIRIランチの写真
・ドリンクの抹茶ラテの写真
・味噌玉みそぽんの写真
・外から店を撮影した写真2点。前の道路から少し奥まったところに在って、目印のフラッグがある。
(担当:根箭)


わくワーク みっけ!!
一般就労までのステップアップを
グリーンファーム千里中央
豊中市新千里東町1-4-3シップ千里ビル
06-6369-0095

 今回は「グリーンファーム千里中央」を訪ねました。千里中央駅北側のシップ千里中央ビルの中で、水耕栽培とコーヒーの自家焙煎という珍しい作業をメインにされています。サービス管理責任者の中村正文さんに、お話を伺いました。

〇水耕栽培とコーヒーの自家焙煎が二本柱
 こちらは就労継続支B型事業所です。
 親会社が給食事業をしていて、この場所はもともとレストランでした。現在、水耕栽培の作業とコーヒーの自家焙煎という作業の二本柱で活動をおこなっています。水耕栽培は、水と液体肥料だけで野菜を育てます。栽培した野菜はこちらの店頭や支援学校、千里文化センター「コラボ」、地域のイベントに出店して販売しています。
コーヒーの作業は、豆の選別から商品化、販売までをおこなっています。
その他の作業として、ゴルフのロストボール磨きや販売、おみくじを折る作業があります。

〇やりたいという気持ちが大切
 現在の利用者は30名で、障害種別は様々です。当初は精神障害やシニア世代の人が多かったのですが、最近は若い人や女性も増えました。それぞれの特性に応じて、作業のプログラムやそのための支援の内容を変えています。
 グリーンファーム千里中央では、作業のノルマがありません。1時間以上連続で作業をすることは無いので、無理なく働くことが出来ます。ありがたいことに、現在、新規利用希望者が多く、待ってもらっている状態です。これまでの利用者の中で一般就労につながった人もいて、ステップアップの可能性のある人は、前向きに一般就労を考えてほしいと思っています。
 中村さんは、これまで強度行動障害のある児童の支援に携わってきました。いずれはそういう人を受け入れられるような事業所にしていきたいということです。
「作業が出来るかどうかではなく、やりたいという気持ちがある人にきてほしい」。職員も同じ気持ちでやっているので、今はすごく雰囲気がいいです。

〇つながりを大事にする
 こちらの活動内容や、障害を持つ人の世界を知ってもらいたいという思いから、地域のイベントには積極的に参加するようにしています。障害者と健常者が、少しでもお互いに理解が深まればいいなと思っています。
 また、他の事業所との連携が大切だと考えています。実際、伊丹市の就労支援施設「ココファーム」と連携して、アクセサリーを制作する作業の導入を進めていたり、生活介護NAGOMIとコラボした商品を販売したりしています。意欲のある人がやり甲斐を感じられるよう、このような連携は必要だと感じています。 

・スタッフの写真。みなさん、明るい表情で働いています。
・野菜を栽培中の写真。食品を扱うので、衛生面は徹底しています。
・コーヒー豆の選別作業中の写真
(担当:山下)


IL活動を訪ねて三十里 [ちゅうぶ編]
 2024年1月10日、大阪市東住吉区田辺に在る、NPO法人ちゅうぶを訪問しました。目的は、CILとして本来根幹となる筈の「IL活動」、即ち、自立生活に主眼を置いた当事者主体の活動が、最近は出来ていないという反省点があり、今一度他団体から話を聴いて、原点回帰を図ろうとしたものです。
 ちゅうぶの石田義典さんにお話を伺いました。

【参加すれば伝わった】時代
 NPO法人ちゅうぶは、今年で設立40周年を迎えます。長年ちゅうぶで活動を続けてきた石田さんは、「今の時代は或る危機に直面している」と感じています。
 20~30年ほど前の、CILを創った頃のリーダーが、高齢になったり一線を退いたりしています。何人かは他界しました。最初のリーダーがずーっと引っ張ってきた結果、一代限りで団体が解散してしまったところもあります。
 CILは運動体でもありますが、運動のやり方や関心度は、コロナ禍の影響もあって変わってきています。
 今から15~20年ほど前は、運動が一番盛り上がりました。当時は運動の重要性を伝えなくても、呼び掛ければ人が集まり、参加すれば重要性が伝わったという時代でした。丁度障害福祉の制度が誕生した時で、社会(メディア)からも、障害福祉や当事者運動が注目され、「制度を創る主体は自分たちだ!」という気概にも満ちていました。
 現在、盛り上がりのピークは去り、運動や活動を続けたり伝えたりするのは、難しくなっています。制度も後退が目に付くところも出ており、一時はトレンドだったヘルパー職も、今では慢性的な人手不足に陥っています。
 
【色んな団体と交流する】 
 ちゅうぶでは、対府交渉などの大きな行動には、職員全員で行くようにしています。活動について話し合う例会も全員が参加するほか、色んな団体と積極的に交流することが、勤務態度の面で評価の対象となっています。
 皆で障害者問題を共有することで、何故運動が必要なのかを理解していきます。
 石田さんは、「最近はピアカン(ピアカウンセリング)講座や交流会も殆どやっていない」と話していました。CIL豊中でも、かつてはピアカン講座を共催で開くなど、関わることが多かったのですが、ここ数年来、すっかり遠ざかっています。

【制度が整ったが故に・・・・】
 制度が誕生してから20年を超えました。生まれたときから制度が充実している若い世代の当事者は、制度の枠内でのみ生活する傾向にあるといいます。例えばヘルパーの時間数も、変えたいときは自分で変えられるという発想を持つ人が少ないのだとか。「制度は行政が作る」と思い込んでいるから、「自分たちで創るものだ」という感覚は乏しいそうです。
 また、親が元気で長生きするようになってきたので、特に若い内から自立する必要がなくなってきました。送迎付きの、放課後等デイや生活介護なども拡充された結果、電車やバスにも、あまり乗らなくなっています。
 現在の交通バリアフリーは、かつての運動の積み重ねで実現しており、それを考えると現状は少し勿体ないように感じます。因みに大阪市のバリアフリー基本構想は、06年度以降、全く動きが無い状況だったのですが、22年度になって、梅田・難波など25地区を見直す動きが再開しました。

【ILはお金を産まない部署】
 IL活動の必要性は、まだまだあると言えるでしょう。例えば入所施設の数も、全然減ってはいません。劣悪な環境で暮らす入所者も少なくない上、入所者自身も、「地域で一人暮らしなんて有り得ない」と思い込んでいます。
 今は収益のある事業が優先とされ、IL活動は言わば「お金を産まない部署」となるので、そこに注力することを周りが理解するかどうか、これは重要な課題です。
 石田さん曰く、「これからの時代、IL活動を伝えていくのは難しい。当事者は勿論、一緒に活動する健常者がどう考えるかも大切。過激に糾弾するような従来の運動ではなく、もっと楽しめる形の運動を考えていきたい。何かゲーム方式を取り入れるとか。企画することは必要」。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 大変参考になるお話を聞けました。筆者がCIL豊中で働いて26年、環境は大きく変わり、今のままでIL活動をやるのは不可能だと感じています。ちゅうぶが持つ資源やパワーを、私たちも持てるようになりたいと思いました。
 石田さん、有難うございました。

・ちゅうぶの正面玄関の写真
(担当:根箭)


豊中地域情報ばびゅーん!!
パソコンプラザ in とよなか

 街に一軒はあると有難い!パソコン・スマホのトラブル相談所のお話です。
 阪急豊中駅北改札口を出てすぐ前の右側、「エキスタとよなか」内に、「パソコンプラザinとよなか」があります。06年4月に設立され、現在は豊中市デジタル戦略課との協働で運営しています。

利用は無料、初歩の方歓迎
 パソコンプラザinとよなかは、次の3つの場所に於いて、相談受付をおこなっています。
①本町地区=エキスタとよなか
②千里地区=千里公民館
③庄内地区=庄内公民館
 相談の曜日と時間は、次のとおりです。
①エキスタ:毎週火・木・土曜 13時30分~16時30分
②千里:毎週水曜13時~16時
③庄内:毎月第二金曜
 13時30分~16時30分
 そして毎月1~3回、講習会が開催されています。
 相談は無料、講習は有料(参加費500円~)です。パソコンやスマホを使い始めたばかりの方も大歓迎で、緊張は無用です。

他市の方も相談は出来ます。
 住所が豊中市以外の方でも、相談に来ることは出来ます。但し講習会については、豊中市在住の方を優先としています。「優先」なので、市外の方も「参加出来ない」ということでは、ありません。
 利用の際、相談票を書いてもらうことになっていて、その中で住んでいる市名を書く欄があります。

出張サービスは無いですが 市民個人宅への出張サービスは、一切おこなっていませんが、法人など、団体から講習の依頼があった場合は、対応することがあります。たとえば、福祉センターひまわりから講習を依頼されたことがあり、過去3年で3回出張講習に行っています。

相談はマンツーマンで
 相談は、常にマンツーマン方式にて対応しています。1人で全ての相談内容をカバー出来るとは限らないので、場合によっては2人対応となることもあります。
 ちなみに1回あたりの相談時間は、上限1時間と設定しています。もちろん、それ以上の時間を要することもありますが、そのときは一度終了して、また次回来てもらうようにしています。相談回数に上限はありません。

スタッフは「ITリーダー」
 相談や講習会の際に対応するスタッフは、「ITリーダー」と呼ばれています。全てボランティアとして登録されており、2023年12月現在、71人がいます。
 豊中市では、デジタル戦略課主催のITリーダー育成講習会が、毎年行なわれています。それを全行程修了すると、修了認定証が授与されて、ITリーダーとなります。一口にITリーダーと言っても、各自得手不得手はあり、「そこまで高いスキルという訳ではないですよ」ということでしたが、だからこそITリーダー同士でもフォローし合いながら、日々の相談に対応しています。

どんな相談が多い?
 WordやExcelの使い方や、メールの送受信の設定についての相談が多く、最近ではスマホのラインの設定に関する質問が目立っています。写真の整理や保存方法のほか、スマホの画面からアイコンが消えてしまったという相談もあるということです。

★読者へのメッセージ
 初心者向けの無料相談に、
是非お越し下さい。予約制ではないので先着順にはなりますが、飛び込みでの利用もOKです。今後もITリーダーのスキルアップを図り、相談会や講習会を通して、皆さんのデジタルライフのお役に立つ事を目標としていきます。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 今回は、代表の鈴木三四郎さん、副代表の安原玲子さん、前代表の小林和美さんにご協力頂きました。有難うございました。

パソコンプラザin とよなか
問合せ:豊中市デジタル戦略課 06ー6858ー2669
所在地:豊中市本町1ー1ー1
 エキスタとよなか

・講習会の様子と、エキスタとよなかを外から撮った写真
(担当:根箭)


 新型コロナの感染症法上の位置付けが5類になったのを受け、「今年はクリスマスパーティーを開催したい!」となりました。しかし、12月はインフルエンザとコロナの感染者数W増加が懸念されるとして、CIL豊中では初のハロウィンパーティーを、10月22日に開催しました。会場は福祉センターひまわりです。
 この日に備え、実行委員を始めとする多くのスタッフが、仮装や飾り付けの制作に尽力。テーマはジブリということで、会場はジブリワールドと化していました。
 13時半開演で、先ずは職員の演し物からスタート!皆さんキレッキレのダンスで、時間を縫って練習した成果が出ていました。大人からお子ちゃま(職員の子ども)まで、ジャンボリミッキー、PUFFYの「愛のしるし」を頑張りました。衣装も可愛かったですが、大人の衣装の中には、控えめに言って夢に出てきそうな物もありました。
 ひとしきり盛り上がった後、今度はJAZZとPOPライブの登場です。ジャズシンガーのSeikoさんと、ギター担当の国枝直人さんのお二人によるライブが披露されました。
 前半は、みんながよく知っている「パプリカ」や「隣のトトロ」などを歌唱、後半はJAZZを中心とした洋楽のカバーで、しっとり大人なムードを演出されました。
 次はクラウンぽんさんによる大道芸タイムです。
 スタートから見事なパントマイムで会場の笑いを誘いましたが、終盤、自ら風船を膨らまし続け、その中に全身が入り込む!という、身体を張った演技を披露されました。会場中が両手を耳に当てながら、固唾を飲んで見守っていましたね。
 そしてここからが、メインとなる仮装大会です!
 出演者はいずれも事前応募されており、ジブリチームや鬼滅の刃チーム、首なし女と魔女チームなど、ばっちりテーマで揃えた入魂の仮装で会場を沸かせました。審査員も配置され、入賞者には豪華(?!)景品が贈られました。この大会のために、四国は愛媛県から2泊3日でやってきたという方もいまして(因みに3位入賞)、なかなか芸の細かい仮装ぶりを披露していました。でも、皆さんレベル髙いですね~!凄い作り込み様だったし、音楽の効果もあって、めっちゃハマって見えました。
 今回は初のハロウィンパーティーで、2時間でしたが、気候も良い中、楽しんで頂けたと思います。
 関わって下さった皆さん、本当に有難うございました。

・会場の飾りの写真2点、スタッフのだし物の写真、ライブの写真、大道芸の写真2点、仮装大会の写真2点
(担当:根箭)


どんぐりのひとりごと

 どんぐりは、ころころと頑張りまーす! 人生には、いろいろなことが起きるものですね。最近の私の人生も、おんなじですねえ。大きい病院の待合室には家族につれられた高齢者が多い。彼らもきっと若いときは元気そのものだった人たちが、多いんじゃないかな?
 この私だってそうでした。病気といえば風邪しか思い当たりません。  
 五十を過ぎたぐらいから頸椎が悪くなり、それを起点にいろいろと自らの弱点に気がつき、病気と闘わなければならないことになってしまったと思う。誰でもが通過するところですよね。生きるって、こんなに大変なことだったのねと思う今日この頃です。前回のどんぐりの終わりに約束したような楽しい計画も自らは立てられず、特集の取材に行く人たちにお邪魔虫ごとく付いていきました。車いすの人だけしか入れないカフェ?!そんなー、とか思いながら行ってきたんですが、場所は京都の伏見神社の近くで、私は嬉しくもあり、本当に行けるのか不安もありました。だって何年ぶりかの遠出でしょう?おぉーっと・・・これはお仕事で行く京都ですよ、と自分に言い聞かせていました。でも、やっぱり京都は観光地です!駅から神社に続く道の両脇には、お店がにぎやかに並んでいます。思わず誘惑されそうになるのを抑えて、取材先へと急ぐみんなに付いていきました。特集と重なるため店内の様子は書きませんが、車いすに座って落ち着いて読書ができそうな空間でした。ランチメニューを見てもアイスクリームくらいしか食べられないと諦めていたんですが、「ブレンダーしましょうか?」と声をかけていただき、うれしくなってしまいました。京都の伏見神社、またプライベートで行きたいです。

 今回、お邪魔虫は思いました。まだ近くなら、例えば京都、神戸くらいなら、楽しく行けると自信がつきました。前は大食いしたけど、今は本当においしい味がわかれば、それで満足のどんぐりです。小さいブレンダーも持ち歩けますし。おしりに火がついたら行けるはず。
(どんぐり)


哲珍の部屋
 1月に豊中市が、「南部地域の学校跡地活用に関する個別活用計画」の改訂(素案)への意見募集について(追加分)というような題名でパブリックコメントを募集していたので書いてみた。
「豊中市立第七中学跡地について。
 第七中学校跡地に府立支援学校を新設することについて反対します。
 なぜなら特別支援学校の新設は明らかに国際法に反しており、国際法である日本も批准している障害者権利条約では、インクルーシブ教育の保障を明確に記載しています。
 この条約でインクルーシブ教育とは、「障害の有無を問わずあらゆる可能性のある子どもが同じ教室で一緒に学ぶことである。つまり障害のある子ども、障害のない子どもの両方が同じ教室にいるということである。このことには、誰もが一緒に学びながら、個別のニーズを満たすことができる教育制度を構築することが含まれる。」事です。
 更に障害者権利委員会は先の第一回日本審査で「子どもは通常学校に行くか特別学校に行くか選ぶべきではない。障害者権利条約は明確に特別教育を否定し、インクルーシブ教育を推進している」と各国の権利委員さんが仰っています。
 良かれと思って特別な場を作り良かれと思って通わせて、障害のある子どもは健常な子ども社会から分けられて育ち様々な経験を奪われます。奪われた経験は大人や親御さんに与える事はできません。
 豊中支援学校の定員超過70名を補う理由で200名規模の支援学校設置を七中跡地に検討するのであれば、市立の小中学校55校でより良い合理的配慮の提供を行うべきではないでしょうか。
 私は第七中学校跡地に府立支援学校を新設することについて反対します。」
 過去の図書館再編構想時にたくさん意見が上がった事で、規模は小さくなったもののいくつかの図書館は存続していく方向になったと聞いたりすると、主張は言い続けていかないと。
 地域で過ごす意義を知らなくて、自らも豊中で障害持った子と一緒のクラスになった事もなく支援学校に通ったこともない人が、気持ちはわかるとか仕方ないとか支援学校に行かせるべきとか軽々しく言わないでほしいよね、周りとの関わりは奪われるだけやし。
 南部地域の活性化というのなら豊中にない文化施設を作ればええし、豊中支援学校の定員が70名超過してるなら小中学校を手厚くすればわざわざ拵える必要なんかあらへんし。
 私は第七中学校跡地に府立支援学校を新設する必要はないと考えます。
(上田哲郎)


運転免許取得[極秘]プロジェクト  
 先日トヨタで実車体験した後、数日経ってミクニ ライフ&オートの担当者から突然電話があり、トヨタの営業の方からミクニ ライフ&オートの担当者に「車の購入の話を進めていってもいいですか?」と聞いたそうです。私はその話を聞いて、「私の車なのに誰に聞いてるの!?何、考えてんねん!!」と怒りが込み上げてきた。そこで、その担当者から車を買うことをやめることにしました。
 これからは自分で車を購入するお店と担当者を探すことにしました。まず、最初に福祉車両の展示がされている神戸のトヨタハートフルプラザに行って、トヨタの販売店を探してもらいました。その時に車の改造をすることを説明し、販売担当者に改造車の販売経験のある人をお願いしました。すると、私の住んでいる箕面ではないけども、新大阪店で対応してくれる人が見つかりました。
 後日、電車に乗ってトヨタ新大阪店に打ち合わせに伺いました。そこで、車の改造のことや車を購入後に埼玉県のミクニ ライフ&オートに輸送しないといけないこと、そして、私自身が車の知識がなく、改造費が高額の為、車にお金を掛けられないこと等をお話ししました。すると、きちんと理解してくれ、丁寧に車のことやオプションの種類などを説明してくれました。
 あと、車を購入するためには車庫証明を取らないといけないことを説明されました。その時に私が住んでいるマンションの駐車場に空きがない状況で、実家の敷地からも2km以上離れているため取れないことになって、担当者が私の自宅近くの駐車場を駆け巡ってくれて見つけてくれました。自宅から500mほど離れた場所でした。
 これでやっと車を購入できる準備が整いました。以前に日産で車を購入するときに免許証を持っていないと車を売ることができないと言われたので、父に同席してもらって契約をすることにしました。すると、トヨタでは私が未成年ではなく成人なので、保証人は必要ないと言われ、無事に契約することができました。

・車の運転席に座る筆者の写真
(瀧本香織)


小説【雅人の一日】〜
~大阪は雪もよう~〜

 彼はすこぶる正確な体内時計を持っている。
 いつも、かけっぱなしのラジオの時報どおりに、愛用のママチャリをとばして、市境の橋を渡ってやってくる。
 単行本と、重要書類と、捨てきれないガラクタたちがひしめき合う整理棚につま先を引っかけないように、ぼくはコントローラーのレバーをはさんだ中指とくすり指に意識を集中させる。
軽く2本の指をひねりながら、回りたい方向へ押しこんでやると、電動車いすはよどみなく反転した。
「月山くん、空の具合はどぉやぁ?」
「ちょーど、きのぉ、ネットで『星5つ』のお天気アプリをダウンロードしたところなんです。雨雲レーダーで調べてみるんで、すこし待ってくださいね」
 ベニヤ板を張りつめた四畳半にあぐらをかいて、月山くんは両腿の上のノートパソコンを覗きこんでいる。
 こころもち身を乗り出しただけで、彼を見下ろすシチュエーションになってしまった。
「きょうぐらい寒ぅなると、雨雲レーダーやのぉて、雪雲レーダーやろぉ。現代人は文明の発達で、生まれもって授けられた五感を手放そうとしとる気がするんや」 
「雅人さん、ぼくのやり方が気に入らないんですか⁉️」
「なんで、そんなムキになるんや。お約束のボケにおまけを添えただけやけど」
「ごまかさないでください。ほんとうはノートパソコンなんか開かずに、玄関先まで出て風や雲の流れで、判断してほしいんですよね」
「あたってはおるけどなぁ」
「でも、ぼくには風や雲の流れで、天気を読む知識はありません。その代わりに、雅人さんの苦手なネット関係は、人並みに使いこなせるわけなんです」
「なるほどやなぁ。セールスポイントは、一人ひとり違うっちゅうこっちゃんなぁ」
 ちょっとした気まずさに、温度差アレルギーのくしゃみが絶妙な『間』を用意してくれた。
「寒くないですか?」
「恒例のヤツやで、心配せんといてや。むかし『くしゃみ3回、ルル3錠』て、CMがあったけど、ぼくは4回で黄信号やしな」
「さっきはカチンときてしまって、すみませんでした。雅人さんが三国の商店街まで買い物に行きたいって、言い出しそうな予感がしたから、きのうのうちにアプリをダウンロードして準備万端にしておいたんです」
「つまり、出鼻をくじかれたっちゅうことやんな」
「だけど、これぐらいでカチンときてたら、どんな利用者さんにも寄り添えるヘルパーには、まだまだ程遠いですよね。もっとメンタルを鍛えなくては・・・、です」
 『知識』とか、『メンタルを鍛える』だとか、彼の内面からたぐり寄せられる言葉の取っつきにくさと、目の前のそんなに頑丈そうではない丸まった背中が、無理やり、しがみつこうとしている価値観とのギャップそのものに思えてならなかった。
「結局、雨雲レーダーの予報どおり、このあたりにしてはめったにない吹雪がきたでしょ」
「意地を張って、買い物へ出とったら、身動きが取れんで、ふたりして『雪だるま体験』になっとったやろなぁ」
「イヤですよ。利用者さんに風邪をひかせたら、ぼくの責任になるんだから」
「もし、ぼくが『どうしても雪の中に出たい』て、ごねたら、どうすんのや?」
「雅人さんがそんな子どもじみたことは言わないって、信じたいですけど、話にならなかったら、チーフリーダーに相談するでしょうね。ぼくは雅人さんのケース担当じゃないし、下っぱが出しゃばって、先々、いろんな仕事を振られたら、面倒だしね」
 本音のみだれ打ちに、行き場のなかったストレスはみるみる遠ざかっていった。
 気持ちを逆撫でする言葉のオンパレードのはずなのに、月山くんのむかしといまをもっと知りたくなった。〈つづく〉
(北のグリエゴ)

 
ねや散歩 Part.16
 昨年12月、コロナ禍以降初の連泊旅行で、高松に行った。目的は高松琴平電鉄、通称琴電である。私が初めて訪ねた当時の琴電は、超レトロ電車王国で、鉄道ファンの間では「動く電車の博物館」と呼ばれていた。そんなレトロ電車も、老朽化により順次置き換えられ、最後は4両が動態保存状態で残っていた。私は2019年9月に、この内の3両に乗車した。その時点では、「レトロ電車は2020年GWをもって全車引退する」と公式に発表されており、私は20年4月にラスト乗車をしようと思っていた。ところが、コロナ禍襲来である。引退は1年延びたものの、結局再度の現地行きは叶わなかった。かくてレトロ電車は去ったが、その内の1両が高松市内のNPO法人に引き取られ、お遍路さんの
休憩所として活用されることになった。23号という車両で、1925(大正14)年製。4つの時代を生き抜き、95年間現役を続けた。元を辿れば近鉄電車で、近鉄23号として南大阪線で活躍。61年に琴電に譲渡された。保存にあたっては、必要維持費を確保すべくクラウドファンディングがなされ、私も協力した。めでたく目標額が集まり、晴れて整備された23号と、このたび再会してきた。現役時代の力走を体感し、クラファンにも協力した者としては、誠に感無量であった。車内にはジオラマも設置され、なかなか精巧に出来た模型が走っていたが、もう一つ驚いたことが。何と電車の横は、ドッグランになっていたのだ。電車と犬のコラボ⁉代表の方曰く「地域にドッグランが無かったから、やってみたかったのと、収益はお遍路さんの接待費に充てている」。何ともユニークな発想である。話は変わって、最近私は初めて「犬カフェ」に行った。そこにいたお客さんが、「どこか車で遠くに犬と旅行して、ドッグランで走らせてみたい」と店員に話していたから、私は思わず、先日の高松でのことを話した。そしたら興味は示していたので、もし本当に行ったら面白い。次回は犬カフェの話を書こう。

・レトロ電車現役時代の写真、保存展示されているレトロ電車の写真2点
(ねやたろう)


◇◆編集後記◆◇
 アイエルちゃん新聞第2号が漸く出来ました。この調子で少しずつ慣れていきたいです。今年は花見に行きますか?次は7月に会いましょう。
(編集長 根箭太郎)