10.31全国大フォーラム もうやめようよ!障害者自立支援法


●障害者の生活を脅かす自立支援法

2006年、障害者や家族、支援者の反対を押し切って、多数決という名の数の論理で自立支援法がはじまり、3年目を迎えようとしています。
この間、サービスを利用したら強制的に一割の負担が課せられ、作業所などで仕事をしても工賃(作業所から貰えるお金)以上の負担を取られてしまったり、障害者などの生活に著しく影響をきたしています。国は、「特別対策」、「緊急措置」の名の下に、介護サービスなどを利用した時に支払う負担金の上限を緩和したりして、目先だけで「国は考えている」と言いたげに策を講じています。でもこれは、「制限付きの経過措置」でいつもとに戻るか分かりません。また、サービス利用料の一割負担(応益負担)は相変わらず存在し、介護サービスの使い控えや作業所などへの通所をやめたり、病院に行けなくなったりしています。障害者の生活に必要なヘルパーさんに支払う単価が下がってしまい、ヘルパーさん不足があったりして、生活を維持出来るか不安になっている人も多くいます。
法律が始まって、3年目を迎え、国は法律の見直しをするために、2008年4月から学識経験者や障害者団体の代表、厚生労働省の担当者が集まって、見直しの論議が始まっています。

●6500人の仲間が日比谷へ

自立支援法が始まり、各地で行政に対して障害者団体などが制度の改変を求めて、多くの行動を起こしています。厚生労働省に対しても、障害者団体などとの交渉がくり返し行われ、その成果として、激変緩和の策が講じられています。
制度見直しを前にして、本当に障害者や家族などの思いが取り入れられ、本当の意味での自立支援法ができ、日本の障害者差別禁止法が出来るようにと、2008年10月31日に「日本障害者協議会(JD)」、「全日本ろうあ連盟」、DPI日本会議などが中心で組織した「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会」などが中心となって、東京の日比谷野外音楽堂で「もうやめよう!障害者自立支援法10.31全国大フォーラム」が行われました。
この時には全国から約6500名が集まりました。
フォーラムでは、各地からの実践報告、障害別の報告、学生無年金障害者訴訟団からの所得保障に関するアピールとして、「無年金訴訟で裁判をしていく課程で特別障害者給付金制度が少しのお金が入ってくる事になったがそれ以上に自立支援法の負担が大きく生活がなりたっていかない、今から最高裁での闘いが始まっていくが先行き不安である。」との言葉が発せられました。
また、「重度障害者が病気になり、入院をした時には、看護師などから付き添いやヘルパーに見て欲しいと言われた、でも制度上ヘルパーは病院内では利用出来ないのでその時は自己負担で依頼しないといけない、それだったら病気になっても家で療養する事になり分からないうちに病状が悪化してしまった」というような悲痛な訴えがありました。
そして、10月31日に東京や大阪など全国8カ所の地方裁判所へ「自立支援法は『法の下の平等』を理念とした憲法に違反している」と障害者やその家族達が提訴しています。その代表者がこれからの裁判について発言がありました。
これに先立って、各政党からアピールがあり、与党からは自立支援法を守るような話しがされフォーラムに参加した人達からは「NO!」と書いた赤いビラを掲げていました。衆議院の選挙が近い事もあり、与党野党もそれに向けた宣伝で終わったような気がして、「この人達は何をしにきたのか」というような言葉も聞かれました。


この光景が、これまでに何度見られた事でしょうか?そして、いつまでこの様な闘いを強いられるのでしょうか・・・・・?



●自立支援法 NO!NO!NO! 地域生活 YES!YES!YES!

フォーラムが終わった後は、日比谷公園から国会議事堂方面と東京駅方面に分かれてデモ行進をしました。豊中から参加したメンバーは国会方面へ歩き出しました。日比谷公園でデモ体制を組むのに時間が掛かり、この日の東京は寒く、軽装の私たちは身体が冷え切ってしまいました。
デモが始まるとみんなは「自立支援法を見直せ!」とか「作業所を守れ!」などと書いたプラカードやのぼりを手にして、進み始めました。国会議事堂に着くまでに財務省、法務省、国土交通省、衆議院会館、参議院会館を通り、その時には声が届くようにシュプレヒコールをあげていました。国会議事堂では、野党の議員さん達が一緒にシュプレヒコールだけあげていて、それは何かセレモニー的な感じがしました。デモ隊からは「私達の応援をするんだったら一緒にデモで歩けば良いのに」の声が聞こえました。
今回の行動では以前に比べて、マスコミも取り上げていたと思います。
私達の声が国に届くように、まず自分の住んでいる地域で声をあげていき賛同者を増やしていく事、それを束ねてマスコミなどを使い国に伝えていく事が大切だと感じました。
今が、CHANGEの時です。そして今がCHANCEです。みんなで頑張っていきたいものです。


『自立支援法 NO!NO!NO!』の横断幕。デモの仲間にエールを
送るために顔は笑っていますが、心は国に向かって怒(いか)っています。
デモ行進の様子。『介助の資格制度をなくせ!!』のプラカードも見えます。


『どうして、はたらくためにお金をはらうの?』
そうです。障害者自立支援法では、作業所に働きに行くのに、逆に作業所に
利用料を支払わないといけないという、不可解なルールを強いているのです。
舛添厚労大臣への問いかけを手に・・・・・。




シュプレヒコール! 自立支援法〜 NO! NO! NO! 応益負担〜 NO! NO! NO! 権利条約〜 YES! YES! YES! 地域生活〜 YES! YES! YES! 国は障害者の声を聞け! 自立支援法をやめろ! 応益負担をなくせ! 区分認定を見直せ! 移動支援やコミュニケーションを保障しろ! 重度訪問介護を拡充しろ! ヘルパーを増やせ! 施設や病院からの地域移行を進めろ! 障害児施策を拡充しろ! 障害の範囲を見直せ! 手帳のあるなしで入り口を閉ざすな! 国は障害者の地域生活を支えろ! 私たち抜きに私たちのことを決めるな! 我々はたたかうぞ! 障害者の権利を勝ち取るまで闘うぞ! 最後の最後まで闘うぞ!



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