2010年度 体験講座を開催しました
テーマ人とのキャッチボール


2010年4月24日(土)、13:30〜16:30まで、体験講座『人とのキャッチボール』を開催しました。
この講座は、人が社会で生きていく上で最も必要な、コミュニケーションについて考え、その大切さを再認識もらおうという気持ちから開きました。
内容としては、『あいさつのやり方』、『電話のかけ方・受け方』、『指示の出し方・聞き方』の3つの項目で行い、当日は定員10名のところ、8名の方が受講して下さいました。


あいさつについて考えてみましょ♪
「あいさつは、とても大切です。何故なら、人は一人では生きていけないからです。漢字の『人』の字のごとく、支え合って生きています。」
という一言から始まり、スライドショーによる講座が行われました。
『あいさつには何種類があるのか?』数え上げてみると結構ありました。
「あいさつをきっかけに人間関係を築いていくためには、相手の趣味や血液型を聞いてみるなど、ちょっとした会話を添えると効果があります。」
まだまだ人とあいさつをした経験が少ない人にとっては、こういう事も発見だったかも知れません。
受講生同士で、あいさつに始まる自己紹介の練習も行いましたが、慣れない場面に初めての人たち、緊張する人たちもいました。
だけど、人前で自己紹介することは、この先きっとあるでしょうからね。
後半は、態度の悪いあいさつと態度の良いあいさつの見本を、講師がロールプレイで示し、特に悪い箇所を受講生に指摘してもらった時には、「実は私も、そんなあいさつしちゃった事ありますよ」と、正直に話す方もいました。
客観的にあいさつのやりとりを見ることで、ほんの些細なことでも気付いてくれたら嬉しいですよね。

終了後、「私からあいさつをしたけど、相手が答えてくれなかった。そんな時、どうしたらいいんですか?」
と質問がありました。これに対して、「あいさつをされて気分の悪い人はいないと思う。たまたま相手が機嫌が悪くてあいさつ出来ない気分でいただけかも知れないから、折れずにまたあいさつして欲しい」と回答しました。

あいさつの講義。講師は上田君(左)と今津さん(右)です。 講座全景。まったりと進みました。


電話のかけ方、受け方の練習だーっ!
この講義、先ずは『人間の通信手段の歴史』から始まりました。
何と話は紀元前から始まり、「人類にとって、ものを伝える最初の手段は何だったでしょう?」
「声」と答えた受講生もいましたが、答えは「身ぶり・手ぶり」でした。その次が声だということです。
さらに時代が進むと、狼煙(のろし)を使うようになり、これが一気に遠くへ情報を伝える、現在の携帯電話の原型になったという事です。
1980年代の、初期の携帯電話の写真も登場し、中にはリアルタイムで(?)、知っていた受講生もいました。
さて、電話のやり取りです。
講師がロールプレイで悪い例を実演しました。
設定時刻は夜9時、友達の家に電話をかけ、「もしもし。誰それさんいますか?あ、お風呂ですか。分かりました。またかけ直す?ハイ、お願いします。」
実際はもっと長かったのですが、省略します。さて、受講生からはどんどん指摘が出されました。
夜遅くにすみませんという一言がない。「かけ直してもらうのに、自分の電話番号を知らせていない」「電話を受けた相手も番号を聞いていない」・・・・・。
そのあと受講生同士でもロールプレイをしてみましたが、曰く「自分で分かっていたとおりに上手くできない。」
確かにそういう事は私たちでも多いものです。お互い、改めて意識を持つきっかけになってほしいですね。
後半は、携帯電話のマナーについて話をしました。
「飛行機の中では、計器に狂いが出るから電源を切らないといけない。」、「病院の中では、医療機器に誤作動が起こるから電源を切らないといけない。」
みなさん、真剣に聞いていました。携帯のマナーは、一般でも守れていない人が多いのが現状ですね。

電話のかけ方の講義。講師は大友さん(左)と浅さん(右)です。
バックに太鼓が写っているのは、「昔は太鼓で情報を伝えてた」
という話をしていたからです。
受講生同士で、電話の対応のロールプレイ中。
結構緊張したようですね(^^)。


みんなはどうやって指示を出す??
まずは、「分かりやすく伝えるってどういう事だろう?」という話から始まりました。
「一番良いのは、抽象的な言い方をせずに、具体的な言い方をするということですね。『そこのあれ取って』ではなくて、『前の台の上に置いてある青色のファイルを取って』と言うとか。
それと、特に介助者に指示を出す場合など、指示を出す側、受ける側、ともに相手の言い方のクセとか聞き方の特徴をよく理解するように努力すれば、お互いスムースにコミュニケーションを取れるようになりますよ。」
なるほど。確かにほんの僅かな言葉の行き違いが発端となって、人間関係がギクシャクしてしまうのはもったいない話ですからね。
この後講師が、『スーパーで買い物』、『冷蔵庫に物を入れる』、『仕事のファイルを取る』、『弁当を食べる』の4つの場面を例に、悪い介助の頼み方のロールプレイをしました。
「そこの上のん、取って」「これですか?」「いや、その茶色のやつ」「茶色のは一杯ありますけど?」「いや、だからそれやん」・・・・・。
これでは介助をする人もイラッときますよね。そういういけないところを、受講生にどんどん指摘してもらいました。
それをもとにして、どうやったら相手に伝わる指示の出し方になるのかを、今度は受講生がロールプレイで示してくれました。

最後に受講生から、「今度、食事の介助をすることになったのですが、口に運ぶタイミングとか、食べる順番とか、どうすればうまく出来るでしょうか?」
という質問が出されました。これに対して、「最初からうまくいく事はないし、『こうすればいいです』という答えがあるわけでもないんです。食事の進め方は人それぞれだから、前もって悩まなくても、その時に相手とのやり取りの中で、流れをつかんでそこから勘が働くようになってきますよ。」と回答しました。

指示の出し方の講義。講師は鍛冶君(左)と根箭(右)です。 受講生同士でロールプレイです。


今回は、初めての試みとして、コミュニケーションスキルについての講座を開催しました。
毎年ILP講座でも、『コミュニケーション・人間関係』という項目があり、それを拡大させたような、今回の体験講座です。
これからも、人間関係の基本であるコミュニケーションをテーマにした講座を、企画していきたいと思います。
当日受講して下さったみなさん、本当にありがとうございました。



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