国障年第29回総会が行われました


2009年6月20日(土)、岡町の福祉会館にて、国際障害者年を機に「障害」者の自立と完全参加をめざす豊中市民会議(国障年)の第29回総会が開催されました。

 
第一部の、総会風景

第一部では開会の挨拶を大谷様よりいただいた後、来賓紹介があり、出席者が紹介されました。
始めに各団体より通年通り経過と活動報告がありました。
決算報告と予算提案の後国と大阪府と豊中市の動きについては、
「豊中市のヘルパー支給決定時間の前進などがあったものの、『百年に一度の大不安』と嘆きたくなるような社会情勢が挙げられ、厳しい状勢に今後も私達は声を上げ続けていきます。」と述べていました。

次に溝口正美議員、中野修議員、宮路和夫議員より議会報告があり、最後に特別報告として、特定非営利活動法人 豊中市障害者就労雇用支援センター 入部正也さんより、仮称リサイクルセンター(障害者雇用団体設立)の設立までの経過と現状、今後の課題など語りました。
「将来的に障害者雇用団体で知的障害者が雇用できるような体制になるよう、課題に取り組んでいきたい」と力強くアピールしていました。



第2部では記念シンポジウム【「僕の思いをきいてください!」〜若い障害者の悩み〜】が開催されました。
パネリストは、合名会社おばけ箱代表 牧口一二さん、えーぜっと 井上康さん、当センター 鍛冶克哉の3名で、若い障害者の自立に対する思いやヘルパーとの関係について、また障害者と健常者が共に働くことの意義や当事者主体性についてなど、たっぷり2時間、自由に話しました。

まずは自立について。
親元で暮らしている鍛冶さんへ、自立生活をしている2人から「自立生活したいなって思わないの?」という問いに対し、鍛冶さんは、自立したいとまだ強くは感じないこと、漠然と不安があることを挙げ、それから2人の自立のきっかけを尋ねました。

井上さんは、ある女性との出会いがきっかけで、施設を出て自立生活を始めたということを語った後、牧口さんより
「鍛冶さんは今までそういう女性に出会わなかったのかな?」というプライベートな恋愛話へともつれこみ、
「こんなの打ち合わせになかったですよ!」とたじたじになる鍛冶さんと、追求に走る牧口さんとの会話で、会場が笑いの渦で包まれました(詳しい内容は割愛いたします)。

照れくさそう(?)に話す鍛冶さん 面白トークはお任せあれ! 井上さん

その後、井上さんや会場の方から、身近にあった自立について体験談を語ってもらいました。
その中で、切羽詰った経験をすることによって、今まで出来ないと思っていたことができるきっかけになること、その積み重ねで自立していくことができるということを再認識することができ、筆者自身も勉強になりました。

次に障害者と健常者が共に働くことについて、牧口さんの経験が語りました。
以前、会社を健常者の人と一緒に出資して立ち上げた際、1ヶ月でもらう仕事量は10〜15件と皆同じなのに、利益は健常者の方と比べたら5分の1しかなかったそうです。なぜなら、牧口さんが営業でとってくる仕事は、障害者だから出した≠ニいう(おいしくない)仕事だから。
そこで仲間達から言われました。
「どう見ても牧口は障害者だから、いっそのことけったいな障害者になれ!」

それから派手な格好をして(松葉杖もカラフルにしたそうです)、営業に出ると、“障害者であること以上に何かオリジナルを持っている!”と見てもらうことが出来、おいしい仕事をもらえる様になりました。
そのおいしい仕事(美人画)も自身にとっては不得意なジャンルでしたが、仲間で美人画の得意な方がいたので、詳細を口で伝えて描いてもらうことができたそうです。
この経験を通して、一人の仕事の効率を補い合える方法があり、大人数になると、特にチームワークが大切だということを語っていました。

お馴染み、牧口さんの味わいトーク パネリストの3人

鍛冶さんが健常者にうまく気持ちが伝えられずにジレンマを感じるのに対し、井上さんと牧口さんは、
「ジレンマは原動力にもなるのでその気持ちは持ち続けいて欲しい」と、力強く励ましていました。
最後に鍛冶さんは、「できれば30歳までには自立できるように努力したい!」と抱負を述べ、拍手の中閉会となりました。
皆様、梅雨の蒸し暑い中お疲れ様でした。



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