2004年度 第一回市民講座を開催しました

テーマ知的障害を持つ人に配慮したバリアフリーデザイン


2004年度第一回市民講座が、7月3日(土)、蛍池ルシオーレホールにて行われました。
今回のテーマは、『知的障害を持つ人に配慮したバリアフリーデザイン』で、CIL豊中として初めて、知的障害者に関した内容の講座となりました。
講師は、有限会社プラネットワーク代表取締役で、社会福祉法人ポポロの会理事、更には元京都教育大学講師でもあります、二井るり子さんです。


講演では、北欧はスウェーデンでなされている、知的障害者のためのさまざまな先進的な取り組みについて、スライドを用いて紹介されました。

講師の二井るり子さん。穏やかでソフトな語り口が大変印象的な中、次々に新鮮なスライド写真が登場しました。


知的障害者にとって最も難しいこと。それは、抽象的な概念や感覚を理解することだといいます。
そのため、誰が見ても明らかで分かりやすい記号や絵・マークなどで情報を掲示し、より具体的な視覚レベルで情報を提供するようにします。
これによって、知的障害者の人も、状況を正確に理解することが出来やすくなるということです。

一人ずつの写真を貼ったコート掛け 傘を取り出しやすいよう、
斜面状にした傘立て
金額の上に、これで具体的にどのような物が買えるのかを
表示した例。お金の価値を、より具体的に教示する。
時間の経過や残り時間をより具体的に示すため、
ランプがだんだん消えていく仕組みの時計。


詳しい内容は、きたる8月末に発行予定の広報誌にて掲載致しますが、知的障害者も、彼らなりの理解の仕方や情報処理方法を持っており、それが、健常者とは少し違うだけなのだと思います。
具体的には、概念的論理的に理解する健常者に対して、視覚的絵的に理解するのが知的障害者と言えるのではないでしょうか?
もちろん、知的障害者と一口に言っても十人十色です。決して全員を一括りには出来ません。ただし、健常者(特に日本人の)がこれまで考えてきたよりも、知的障害者に対して社会が気付けること、出来ることというのは、実は豊富にあるのだということを、遠くスウェーデンの実例は、教えてくれたような気がします。

興味津々でスライドに見入る参加者の方々 質疑応答の時間

今回は、初めてのテーマで、しかも内容もこれまで日本ではほとんど例が見られていなかった取り組みの数々とあって反響も大きく、講座終了後にアンケートを集計したところ、相当数の回答が寄せられました。
この講座が一つの発端となって、知的障害者を取り巻く社会の姿勢が少しでも変わっていくことを祈念したいと思います。

当日は50名以上の参加者にお越しいただきました。みなさん、有難うございました。
そして講師の二井るり子さんにも、改めてお礼を申し上げます。

自立支援センター主催講座に戻る